お姉ちゃんがまたライブとかバンドメンバーの話してる。「そしたら有咲がさぁ〜」
「わかった、わかった」
高校に入る前はあっちゃん、あっちゃんって休みの時は来た癖に今はギターやバンドに夢中でさ……
そりゃ前に見たライブやってる時のお姉ちゃんはカッコよかったけどたまには私にもっと構ってくれても。
「この前さーやの誕生日に耳かきしてあげようと思ったんだけど、お母さんにやってもらおうと思ってるからって断られちゃった。でもさーやのお母さんもさーやが甘えてくれて嬉しいと思うんだ」
……それってほんとはお姉ちゃんに耳かきしてもらうのが恥ずかしかったからの言い訳なんじゃない?
それにしても前はお姉ちゃんに耳かきしてもらえるのは私だけだったのに
「ねぇ、お姉ちゃん……久しぶりに耳かきしてくれない?」
「うん、良いよ。でもどうしたの? 最近はもう全然させてくれなかったのに」
"カリカリ、カリカリ"
「どう、あっちゃん気持ちいい?」
最近はお姉ちゃんに膝枕されるのが恥ずかしくて断ってたけど、やっぱりお姉ちゃん耳かき上手い
「うーん、気持ちいいけど、しばらくやってもらわないうちにちょっと下手になったんじゃない?」
……ほんとは全然そんなことでないんだけどね
「えぇ! ほんと? あっちゃんどうしよう〜」
「もう、こんなんじゃ他の人にさせるの不安だからこれからも私で練習していいよ」
本当は私以外の人にはして欲しくないし、恥ずかしいけどそうも言ってられなくなっちゃったからね。
ほんと?ありがとう、あっちゃんって喜んでるお姉ちゃん。
"チュッ"
「お姉ちゃん、今日はありがと」
私はリビングを飛び出していた。
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