「フェイトちゃんどうしたの? 最近ぼぉーっとしてることが多いけど」
「……えっ? そんなことないけど。なのはの気のせいじゃない?」
他の3人は仕事や習い事があるためなのはと2人で帰っているとなのははそんなことを言ってきた。
たしかに最近はなのはのことを見てぼぉーっとしていることが多い。
私はなのはのことを好きだ、友達としてだけじゃなく、なのはの恋人になりたいと思っている。
最近のなのはは今まで以上に可愛くなっている。
なのはのひとつひとつの仕草にドキッとしてしまう。
私に笑いかけてくれたらその笑顔を独り占めしているみたいで嬉しいし、他の子に向かって笑いかけていたらその笑顔を私以外に向けないでとおもってしまう。
なのはがみんなに優しいのは知っているし、そのなのはを好きになったはずなのに……。
とにかく、この感情をなのはに知られる訳にはいかない。
私がなのはをそういう風に見ていると知られたらなのはに嫌われてしまうかもしれない。
……なのはに嫌われでもしたら……
母さんに捨てられた私を助けてくれたなのはに嫌われたくない。
なのはがいなければ今ここに私はいなかったのだから。
「フェイトちゃん、フェイトちゃんってば。さっきから私の言ってること聞いてる?」
「……ごめん、少し考え事してたかもしれない」
「もぉー、ちゃんと聞いててよね……フェイトちゃん、顔赤いけど大丈夫?熱あるんじゃない?」
そう言って少しムッとして顔を近づけてくるなのはに余計顔が赤くなっていくのがわかった。
なのは額が私の額にくっつき視界いっぱいになのはの顔が広がる。
その瞬間
「ちゅっ」
気づいたらなのはを抱きしめ
唇にキスをしてしまっていた。
急いで離れたけど、なのははびっくりした顔をして私を見ていた。
当たり前だ、友達だと思っている相手にいきなりキスされたんだから。
「ごめんね、なのは。……ほんとにごめん」
「……」
「なのは?」
「……」
なのはからの反応がない。
嫌われてしまったのだろうか?
いきなりあんなことされたら当たり前か……
「……フェイトちゃん、……どうしてキスしたの?」
「……なのはのことが好きなんだ、一人の女の子として。……
こんなこと言われても気持ち悪いし困るよね。もうなのはに近づか「んっ」」
もう近づかないから嫌わないで、と言おうとしたら途中で何かで口を塞がれて最後まで言えなかった。
それは彼女の唇だった。
「……なのは? ……えっ、どうして……」
「フェイトちゃん、自分だけで話を進めちゃ嫌だよ?いきなりでびっくりしたけど、嫌じゃなかったよ」
「……」
「嫌じゃなかっただけじゃなくって嬉しかった。フェイトちゃんも私と同じ気持ちなんだってわかって」
「……えっ?」
「だから私もフェイトちゃんのことが好きってことなんだけどね。だからフェイトちゃんの気持ちまた教えてほしいな」
「……私はなのはのことが好きです。私と付き合ってもらえますか?」
「はい、喜んで」
そうして、私達は3回目のキスをした。
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