"ジャーン"
私は今家で香澄ちゃんにギターを教えている。
昨日学校であったときに教えて欲しいと頼まれたからだ。
「ありがとうござます、今度のライブ頑張ってください。また今度教えてください」
「別にいいよ、香澄ちゃんも練習頑張ってね」
「ねぇ、香澄ちゃん……」
「りみりんどうしたの?」
「香澄ちゃん、どう? 口に合うかしら?」
「はい、とっても美味しいです」
本当に美味しそうにたべるなぁ。
料理を作った母も嬉しいだろう。
香澄ちゃんが帰ろうとしたときにりみの今日は泊まっていけば?の一言で彼女が家に泊まっていくことになった。
「……もう、香澄ちゃん、口のところにご飯粒付いてるよ、はい」
「うわ、ありがとうございます、ゆりさん」
「もう、もっと落ち着いて食べなよ」
付いていたご飯粒をとってあげると笑顔でお礼を言ってきた。
なんか妹がもう一人増えたみたいな感じだ。
「……ゆりさん?」
「うわ、ごめんね。嫌じゃなかった?」
「いえ、とっても気持ち良かったです」
……全然気がつかなかったがどうやら無意識に彼女の頭を撫ででしまっていたみたいだ。
……なんか犬みたいで可愛い。
「ゆりさんってスタイルいいですね」
……どうしてこんなことになってしまったのだろう。
どう考えても今は部屋にいるであろう妹の仕業だと思うけど。
私は一人でお風呂に入っていたはずなのに途中で背中流します、と香澄ちゃんが入ってきたのだ。
私がお風呂に入りにいくときにりみがこそこそ香澄ちゃんに話掛けていたのがこれなのだろう。
私の背中を流して自分の体を洗っている彼女はそんなことを言うが、彼女もなかなかスタイルは悪くないと思う。
というか、お風呂に入って程よく赤くなった肌、普段は隠れて見えない部分など
……あれ、なんか頭が……
「ゆりさん、ゆりサァーン」
「へぇ、それでのぼせちゃったわけか」
次の練習の日にバンドメンバーにその話をしたらみんなに呆れられてしまった。
「……で、いつ告白するの?」
「告白? 誰が誰に?」
「貴女が香澄ちゃんに、に決まっているでしょ」
……私が、香澄ちゃんに?
「いやいや、別に香澄ちゃんはそんなじゃ」
「香澄ちゃんの裸見てのぼせたり、気づいてなかったかもしれないけど学校で話掛けられたときも嬉しそうにしてたり、説得力ないぞ?」
"ぼんっ"
「あれ? ゆりちゃん? ゆりちゃーん」
「どうやら全く気づいてなかったみたいね。これは付き合うのはまだまだ先のようね」
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