忍者ブログ
  • 2024.02
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • 2024.04
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2024/03/19 15:08 】 |
D.C.Ⅱss 「温かな日常」


D.C.Ⅱのアイシアルートの後日談その2です。

F.L.の内容とはかなりの違いがあります。

それでも良いという方は続きからどうぞ

 今日の午前中の授業も終わり、昼休みが始まった。
クラスメイトも教室で弁当を食べるもの、購買に買いに行くもの、食堂で食べるもの様々だ。
俺も前までは購買や食堂がほとんどだったのだが

「義之くん、お弁当食べよ」

 アイシアが今日から弁当を作ってくれることになったのだ。

「あら、義之は今日は弁当なのね。珍しい」
「そうだね。愛妻弁当なんてうらやましいー。ね、小恋ちゃん?」
「えー、何で私に聞くの。月島は別に何とも……」
「じゃあ何でそんな顔してるの?」
「そうよ、だから早く告白すれば良かったのに。もたもたしてるから」

 側で杏や茜が小恋をいじっているがいつものことなのでスルーする。
というか関わるとこっちにも被害がでるしな。

「義之くんの裏切り者――――」

 ……渉そんな涙流しながら肩をゆすってくるな。
正直キモイから。

「ほら、義之くん。どう、どう?」

 弁当を開けるとそこには卵焼きにハンバーグといったおかずがきれいに並んでいた。
どれも弁当には当たり前のものだがとても美味そうだった。

「ああ、美味そうだよ。ありがとう、アイシア」
「いえいえ、お弁当を作るのは奥さんであるあたしの仕事ですから」

 アイシア、そういう発言はこういうところではやめてくれ。
教室内がざわめき始めたが無視だ無視。

「じゃあ食べるか。……あれ、俺の箸は?」
「あれ? 入ってなかった? ……ごめん、入れ忘れたよ」

(どうしたものか)

 今は予備の箸は切らしてしまっていてない。

(しょうがない、食堂でもらってくるか)

「じゃあ、食堂で割り箸もらってくるから。先に食べてていいぞ」
「それじゃあ大変でしょ? ……そうだ。義之くん、あーん」

 アイシアが自分の箸でハンバーグを掴み俺に近付けてきた。
その姿は非常に愛らしくて彼氏としてはうれしいのだが

(視線が痛い)

 そう教室中が俺達に注目していた。
男子からはすさまじいまでの嫉妬やら殺気やらが、女子は興味津々といった感じだ。

「あーーーーん」

 俺が食べないのでアイシアが痺れを切らせてさらに箸を近付けてきた。

「アイシア、こういうところでそれは……」
「食べてくれないの……?」

 アイシアが上目遣いで目を潤ませて聞いてくる。

(そんな顔されたら俺が悪いことしてるみたいじゃないか)

「あーーん」

 俺が観念して食べると一段と殺気が強くなった。
ほんとに勘弁してほしい。

「義之、後でじっくり話あおうじゃないか」
「ほう、同志桜内もやるではないか」

 渉、そんな殺気まじりに言うな、マジで怖いから。
杉並、お前はいつからいたんだ。
チャイムがなってすぐにどっかにいっただろ。

「えへへー」

 アイシアは嬉しそうに笑っていた。
この笑顔を見れるならこういうのもいいかもしれないと思ってしまう俺はもうかなりアイシアにやられてるんだろうな。
その後もずっとアイシアに食べさせられて本日の昼は終了した。



 午後の授業も無事終了し、放課後。

「義之、今日は久しぶりにゲーセンでも寄って行かないか?」

 帰ろうとしたところに渉がそんなことを言ってきた。

「そうだな、暇だし久しぶりに「義之くん、今日は買い物して帰ろ」悪い、渉。また今度な」

 俺が了承の返事を返そうとしたところにアイシアが話しかけてきた。

「よしゆきくんのバカ。そうやって私のことを捨てるのね」

 渉、お前は何かあるごとにそういうことしてて飽きないのか?
そしてマジでキモイからやめろ。
俺はそう思いながらアイシアと教室を出るのだった。
アイシアは教室を出てからずっと俺の腕に抱きついている。
正直周りの視線が痛いが昼のときと同じようにアイシアが笑っているならそれでもいいと思ってしまう。
アイシアにはいつも笑っていてほしいから、アイシアのしたいことはできる限り叶えてあげたいそういうふうに思うから。



「あ、アイシア、義之くん。ふたりとも今帰り? じゃあ、一緒に帰ろ?」

 昇降口を出たところでさくらさんに会った。

「いいですけど、仕事のほうはいいんですか?」
「にゃはは、今日の仕事は終わったよ。だから、ね」
「ほんとですか?」
「ボクのこと疑うの? 失礼しちゃうなぁ。あ、そうだ」

 さくらさんは頬を膨らませていたが、何かを思いついたような顔をするとアイシアが抱きついていないほうの腕に抱きついてきた。

「さ、さくらさん?」
「さくら、なにしてるのよ。義之くんから離れなさいよ」
「にゃはは。いいでしょ? ボクたちは家族なんだから」

 俺やアイシアの抗議もなんのその、そういうとさらに力強く抱きついてきた。
俺はそんなふたりと一緒に商店街に向かうのだった。
俺はふと思った。
さくらさんもアイシアも見た目はこんなに小さいのにたくさんのものを背負って生きてきた。
だからこれからはとにかくやりたいことをしてほしいと。
そしてそのために俺に出来ることをしようと。

「二人とも、今日の夕飯はなにがいいですか?」

 俺はそんなことを聞きながらこれからのことを考えていた。
                

拍手

PR
【2010/06/05 23:51 】 | D.C.Ⅱss | 有り難いご意見(0)
<<D.C.Ⅱss「家族の時間」 | ホーム | D.C.Ⅱss「新しい日々」>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














<<前ページ | ホーム | 次ページ>>