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【2024/03/19 16:19 】 |
D.C.Ⅱss「家族の時間」
D.C.Ⅱのアイシアルートの後日談その3です。

F.L.の内容とはかなりの違いがあります。

それでも良いという方は続きからどうぞ

 俺は寝ているときに寝苦しさというか息苦しさを感じ目を覚ました。
そう、まるで寝ている自分の上に何かが乗っているような感じだ。
そして自分の上を見ると

「すー、すー」

 母親であるさくらさんが穏やかな寝息をたてていた。

(……何でさくらさんが?)

 そう、俺は昨日寝るときは一人で寝た。
さくらさんをベッドに入れた記憶はない。
そんなことを考えていると他にも違和感があることに気付いた。
何かが腕にしがみついているようだ。
なんとなく予測はつくが腕のほうを見てみると

「むにゃむにゃ……よしゆきくーん……」

 アイシアが気持ち良さそうに寝ていた。
俺はさらに混乱した。
何でふたりが俺のベッドで寝ているのか?
考えても答えは出そうになかったのでふたりを起こすことにした。

「さくらさん、アイシア、起きてください」

 ふたりを揺すりながら起こしていると

「うーん、もう朝―? おはよう、義之くん」

 アイシアが先に目を覚まし、挨拶してきた。
アイシアはまだ眠そうに目をこすっていたが、俺の上でさくらさんが寝ているのを見つけるとそのルビー色の瞳が見開かれた。

「何でさくらが義之くんの上で寝てるの? 説明してくれるよね?」

 アイシアが笑顔で問いかけてくるが目が笑っていなかった。

「俺も知りたいよ。っていうか俺にはアイシアが何でここで寝てるのかも疑問なんだが」

 俺がそう言うとアイシアは少し考える素振りをみせると

「あたしは、昨日よく寝つけなかったから義之くんとお話しようと思ってここに来たら義之くん寝てるんだもん。起こすのも悪いと思ったから、ベッドに入って寝顔を見てたら眠くなってきちゃってそのままここで寝たんだよ」

 自分がどうしてここで寝ていたのかを説明してくれた。
というか、俺が寝ていた時点で自分の部屋に戻って寝るという選択肢はなかったのだろうか?と聞きたいがそのままにした。

「ふぁー……」

 アイシアと話していたらさくらさんが起きたようだ。

「ちょっと、さくら。何で義之くんの上で寝てるのよ?」
「何でって、夜にノドが渇いたから、水を飲んだ後にそのまま部屋に戻るのはあれだったから義之くんの部屋に来てみたらアイシアが一緒に寝てるんだもん。だから、ボクも一緒に寝ようと思ったんだけど、ベッドはもうスペースがほとんどなかったから義之くんの上で寝るしかないと思って」

 アイシアが起きたばかりのさくらさんに説明を求めるとさくらさんはにゃはは、と笑いながら答えてくれた。
というか、あれって何だろう。
そして、アイシアを起こしてふたりで部屋から出て行くということは考えなかったのだろうか?

「あたしは義之くんの恋人だから一緒に寝てても普通だけど、何でさくらもなのよ?」
「ボクだって普通だよ。だって、ボクと義之くんは親子だよ。子と親が一緒に寝るのは何もおかしいことじゃないでしょ。それにね、義之くんはずっとお兄ちゃんの家で生活していたし、この家に越して来た後もボクは忙しかったから全然親らしいことをしてあげられなかったから」

 さくらさんは目を伏せ、申し訳なさそうにそんなことを言った。
だが、俺はそんなことはないと思った。
そもそも俺はさくらさんが願ってくれなかったらこの世界にいなかった存在だ。
それに朝倉家で暮らしていたときも、芳乃家で暮らすようになってからも俺のことをよく気にかけてくれていた。
そして自分が枯れない桜と一つになろうとしてまで俺を守ろうとしてくれた。
確かに、一緒に暮らしている時間は短いかもしれない。
だけどそれでもさくらさんは沢山母親らしいことをしてくれた。

「そんなことないですよ。さくらさんがいてくれたから今の俺がいるんですから」

 だから俺はそう言いながらさくらさんの体を抱きしめた。

「ちょっと、義之くん。さくらだけずるいよ」
「いいでしょ。親子のスキンシップだよ」

 そう言いながら、さくらさんは俺の頬にキスをしてアイシアに向かって軽く舌を出した。

「さくらぁ。それならわたしだって」

 まずい、と思う暇もなくアイシアが俺に飛びついて来た。
俺は寝起きだった為かさくらさんを抱きしめていた為かわからないが飛びつかれた衝撃に耐えきれず三人でベッドに倒れてしまった。

“ガチャッ”

「弟くん、起きてる?」
「兄さん、お腹すいたー」

 まずいときにまずいふたりがきてしまったようだ。

「兄さん、アイシアさんだけでなくさくらさんともだなんて……不潔です」
「私だって弟くんと寝たいのに」
「由夢、そんなんじゃないから。音姉も何言ってるんだよ。これは「そうだ。じゃあ、みんなで一緒に寝ようよ。お兄ちゃんたちも呼んでね」」
「ちょっと、さくらさん?」

 ふたりに状況を説明しようとしたところでさくらさんはそんなことを言って純一さんたちを呼びに行ってしまった。
そして、今日はこの後やって来た純一さんやちょうど家に帰って来ていた音夢さんたちも入れてのんびり過ごすのだった。

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【2010/06/05 23:56 】 | D.C.Ⅱss | 有り難いご意見(0)
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