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D.C.Ⅱss「新しい日々」
D.C.Ⅱのアイシアルートの後日談です。
F.L.発売前に書いたものなので、F.L.の内容とはそうとうな違いがあります。
「ふたりとも、学校に行くよ」

 さくらさんが朝食を食べ終えると俺達にそう言ってきた。

「わかってますよ。アイシア、早く支度しないと遅刻するぞ」
「待ってよー、さくら、義之くん。あたしまだご飯食べてないよ」

 さくらさんと俺は朝飯を食べ終わっているがアイシアは寝坊した為に食べている時間がなかったのだ。
だから俺は魔法で出したどら焼きをアイシアに渡した。

「ほら、これでがまんしろ。今から飯食べてたら時間ないだろ」
「ありがとー。わぁー、義之くんのどら焼きだぁ」

 幸せそうな笑顔で食べ始めた。
アイシアは本当においしそうに食べてくれる。
それは出した俺にとってはとても嬉しいことだ。
そんなことを思いながらアイシアの食べている姿を見ていると、

「あー、アイシアだけずるいなぁ。ボクも義之くんのどら焼き食べたいのに」

 なんてさくらさんが言ってきた。

「さくらさんは俺がつくったご飯食べましたよね?」

 と言うと、何?アイシアは良くてボクには出してくれないの?という表情をしてきた。
俺はしかたないと思いながらもう一つどら焼きを出してさくらさんに渡した。
すると

「にゃはは、ありがと」

 アイシアに負けないくらい幸せそうな表情で食べてくれた。
さくらさんは枯れない桜の管理から解放されてから本当の笑顔を見せてくれるようになった。
俺はそれが嬉しかった。
それまでは笑っていながらもどこか無理しているような感じのする笑顔だったから。

「そういえば、今日は入学式なのに俺達と一緒に出て大丈夫なんですか?」

 そう、今日は風見学園の入学式だ。
今日から俺達は本校の一年生になる。
さくらさんは学園長なのだから早く行って準備とかしなくて良いのだろうかと思い問いかけてみると

「大丈夫、大体の準備は昨日までに終わってるし。それに入学式に子どもと親が一緒に学校に行くのは当然だよね」

 なんて言ってくれた。
そうそう、何故アイシアが学園に行くのかというと、さくらさんがアイシアがもう一度風見学園に通えるようにしてくれたのだ。
さらに同じクラスになれるように手配してくれた。

「さくらー、義之くん、なにしてるのよー、早くしないとおいてくよぉ」

 アイシアの声が玄関から聞こえてくる。
いつの間にか食べ終わり移動していたらしい。
玄関に行くと

「そういえばどうかな、この制服。似合う?」

 くるりと一回転しながらスカートの裾のつまんでかわいらしいしぐさで聞いてきた。
それを見た俺はアイシアのかわいらしさにただただ見惚れていた。
アイシアの付属の制服もかわいかったけど本校の制服もそれに負けないくらい似合っていた。
アイシアが何も言わない俺を不思議そうに見ていたら

「大丈夫だよ、義之くんは見惚れているだけだから」

 さくらさんが勝手なことを言ってくれた。
まあ、見惚れていたのは事実なのだが。

「本当に?」

 とアイシアが上目遣いで見つめてきた。
俺はそんなアイシアにやられながらも

「ああ、似合ってる。かわいいよ」

 と頭をなでると

「えへへー」

 なんて目を瞑って嬉しそうにしていた。



 今日は晴れ、気温もちょうどいい日だ。
まあ、入学式は体育館で行われるので天気はまったく関係ないのだが。
俺は右腕をアイシア、左手をさくらさんとつなぎながら学園に続く道を三人で歩いている。
これまでなら音姉や由夢と一緒に行ったのだろうが二人は俺がアイシアと付き合い三人で暮らし始めてから芳乃家にあまり来なくなった。
今では一週間に一度来るかどうかというところだ。
俺としては五人で食事したり、話したりするのも楽しくて良いと思っているのだがふたりは気を遣ってくれているらしい。
そんなことを考えながら歩いていると、

「あら、義之」
「おう、同志桜内」

 と聞きなれた声がしてきた。

「おう、杏に杉並か」
「桜内よ、今日の入学式で素晴らしい企画があるのだが「俺は何もやらないぞ。音姉たちに迷惑がかかるからな」」

 杉並が言い切る前に自分の意思を告げると杉並は

「そうか、残念だ。気が変わったら言ってくれ」

 何処かへと消えてしまった。

「まったく、杉並は相変らずね」
「お前はどうなんだ。お前も何か企んでるんじゃないのか?」
「さあ? それはどうかしらね。後でのお楽しみってところね。それはそうとアイシアさんがいるっていうのに学園長ともだなんて。義之、二股?」

 杏達にはアイシアとのことは教えている。
杏はわかっていてからかうつもりで言ったのだろうが、

「ボクは義之くんが良いならそれでも良いよ」

 さくらさんがわるノリするもんだから

「ちょっと、さくら何言ってるのよ。そんなの駄目に決まってるじゃない」

 アイシアも加わって一気に騒がしくなった。
杏はそれを見ながら何を考えているのかわからない笑みをうかべていた。
俺はそんな光景を見ながらこれからまた、騒がしくも楽しく新しいけど変わらない日々が始まるのだと思った。
そしてそんな俺達を今は春にだけ咲くようになった普通の桜が見守っていた。

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【2010/06/05 23:35 】 | D.C.Ⅱss | 有り難いご意見(0)
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