あたしはJS事件が終わった後、管理局で更生プログラムを受け現在はナカジマ家で生活している。そこでの生活は不満などはなくあんな事件を起こしたあたしたちにとってよいものだった。ノーヴェやウェンディ、チンク姉たちも一緒だし、スバルやギンガとも仲良くやれている。
しかし、最近はみんながあることに興味津々といった感じであたしに聞いてくる。初めのうちは誤魔化していたが更に追求してきている。今も、みんなで夕飯を食べているのだが
「そういえば、明日はあの人と一緒に出かけるんっすよね?」
「えっ、そうなの?ディエチ?」
ウェンディが明日の予定についてみんなの前で聞いてくる。夕飯前になのはさんと明日のことで通信をしているところをウェンディに見つかってしまったのだ。言うとまた色々聞かれると思い内緒にしておこうと思ったのにウェンディは案の定みんなが揃う夕飯のときにそのことを話題に出してきた。その話題にスバルがもっと詳しく知りたいといった様子であたしに聞いてきた。まあ、スバルはなのはさんのことが好きなので仕方ないとおもう。なのはさんがたまに家に来てくれると嬉しそうにしているし、前になのはさんに助けられてからずっと想っているらしい。
なのはさん、最初は敵として会って初めはフルパワーではなかったとはいえ砲撃を防がれて正直驚いた。ゆりかごでも、中はAMF空間なのにもかかわらずヴィヴィオを助けるためにあたしと撃ち合い倒していった人。そして更生プログラムを受けているときも何度か面会に来てくれて、何度も会って話ているうちにどんどん惹かれていった。話すことは様々で、他愛のない世間話だったり、砲撃について教えてもらったりもした。
「まあね、なのはさんが一緒に買い物に行かないかって言ってくれたから」
「それってデートってことだよね?やっぱりなのはさんと付き合ってるの?」
「スバル、それくらいにして。ディエチも困ってるじゃない」
「え~」
スバルがまたすごい勢いで聞いてくるがギンガに注意されてやっとしぶしぶといった感じではあるが引き下がってくれた。やはりスバルとギンガに弱いみたいだ。今日の夕飯はそれ以後は普通に進んだ。
次の日、家を出るときにウェンディとスバルにからかわれたたりしたが現在は待ち合わせ場所でなのはさんを待っていた。
「ごめんね、待ったよね?」
「いえ、あたしも来たばかりですから」
少ししたらなのはさんは走って待ち合わせ場所にやってきた。結構走ってきたようで、息が切れていた。
「ちょっと用事があって本局のほうに行ったら、フェイトちゃんに会ってね。それでこの後の予定を聞かれたから、この話をしたら一緒について行くって言い出して、振り切るのに時間がかかっちゃってね」
その話を聞いたとき、それはかなり大変だったのではないかと思った。フェイトさんとは何度も会っているがあの人のなのはさんに対する入れ込みようはすごいものがあった。あの人に聞けばなのはさんのことはだいたいわかるのではないかというくらい詳しかったりする。以前、どうしてそんなに詳しいのか聞いてみたら、なのはへの愛の賜物だよ、と返されみんな若干引きながらそうなんですかと言っていた。それに六課時代などは噂ではなのはさんに近づこうとするならフェイトさんをどうにかしなければいけないと言われていたらしい。
「大丈夫でしたか?」
「大丈夫、大丈夫。いきなりソニックフォームで追ってきたときは驚いたけどね……」
あはは、と笑いながらそんなことをいうが、笑いごとではないのだろう。フェイトさんの優秀さは知っているがときどきあの人が執務官をやっていて大丈夫なのだろかと思ってしまう。そして、このような話をしているときに、肩で息をしている私服姿のなのはさんを可愛いと思ってしまうあたしもけっこうまずいかもと思ってしまう。
「それじゃあ、行こうか」
と、彼女が手を出してきたのでしっかりと指を絡めて歩きだした。
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