「なのはさん、明日会えませんか?」
「明日?明日ってティアナが戻ってくる日だよね?じゃあ、明日は私も本局の方に用事があるから待ち合わせしようか?」
「いえ、ちょっとその後に用事があるのでそれが終わったらなのはさんの家まで行きますので、予定を空けておいてもらえますか?」
「良いけど……?あんまり無茶しちゃダメだよ、ティアナはまだ執務官になりたてなんだから」
「わかってますよ。それに今回の任務はもう終わって後は帰るだけですから、大丈夫ですよ」
あたしはそれでなのはさんとの通信を切った。
明日は前々からやろうと思っていたことを実行しようと思っている。
あたしとなのはさんは六課時代から付き合っている。
あたしは絶対に無理だと思いながらもなのはさんに告白したのだ。
その時、なのはさんもあたしのことを好きだと知って泣いてしまったり、なのはさんと付き合っていることがばれた日からフェイトさんやヴィータ副隊長からの訓練があたしだけ激しくなったのは今ではいい思い出だ。
その後、六課も解散し、あたしはフェイトさんの下で執務官補佐として経験を積むことになった。
なのはさんもなのはさんで航空戦技教導隊の方に戻ったのでお互いに忙しく、会える時間は減っていった。
その中で、なのはさんと会っているとやはりあたしはなのはさんが好きなんだ、一緒にいたいとどんどん強く思うようになっていった。
だから……
「お久しぶりです、なのはさん」
「うん、久しぶりティアナ。初任務疲れたでしょ?早く入って」
あたしは用事を済ませた後、なのはさんの家を訪れた。
ヴィヴィオはまだ学校から帰ってきていないようだった。
なのはさんが出してくれたお茶を飲みながら軽く話をしていたら
「ところで今日はどんな用事があったの?」
「はい、それは……なのはさん、あたしなのはさんのことが好きです」
「えっ、私もティアナのこと好きだよ」
「そうじゃなくて……これ受けっとってください」
そう言ってなのはさんに小さな箱を手渡した。
「ティアナ……これってもしかして……」
「はい。なのはさん、あたしなのはさんとあまり会えなくなって気づいたんです。なのはさんのことが好きだって。なのはさんと一緒にいて貴方のことを護って行きたいって。だからあたしと結婚してください」
そう、あたしがなのはさんに渡したのは指輪だった。
あたしは執務官としての初任務を無事に終えたらなのはさんに結婚を申し込もうと決めていた。
なのはさんと付き合い始めたときはまだ彼女とずっと一緒にいる資格が自分にあるとは思わなかった。
あたしじゃ、彼女を護るだけの実力もないし、他の面でも彼女と釣り合いがとれないのではないかと。
だから、告白したときも駄目もとだったし、付き合ったあともいつか別れることになるんじゃないかと思っていた。
ただ、自分が執務官になってその初任務をしっかりとこなすことが出来たら彼女にプロポーズしようと。
「なのはさん……?」
「……ティアナ」
返事は彼女からの抱擁とキスだった。
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