「なのはさん、誕生日おめでとうございます」
「ママ、おめでとう」
今日はなのはさんの誕生日ということで、前々からヴィヴィオと二人で相談してなのはさんを驚かせようと考えていた。
いわゆるサプライズパーティというやつだ。
なのはさんは夕方まで仕事だったので、その間に部屋の飾り付けをして二人で料理を作り、なのはさんが帰ってくるのを待っていたのだ。
「……二人とも、ありがとう。ビックリしちゃったよ。ケーキまで手作りで大変だったんじゃない?」
「いえ、ヴィヴィオと相談して自分たちで作ろうって決めていたので。……まぁ、買ってきたものじゃないので味や見た目は悪いかもしれませんけど」
「ううん、そんなことないよ。ヴィヴィオとティアナが私のために作ってくれたんだもん。それだけで売ってるものより良いに決まってるよ」
なのはさんは嬉しそうにそう言ってくれた。
「もう、なのはママもティアナさんもいつまでも立って話してないで席について。ママの誕生日パーティを始めるんだから……」
少し照れたようなヴィヴィオの声でパーティは始まった。
なのはさんは料理を本当に美味しそうに食べて喜んでくれた。
それだけであたしは嬉しかった。
ヴィヴィオもそう思ったのだろう、なのはさんの食べる姿を見ながら嬉しそうに笑っていたから。
ヴィヴィオの提案で手作りにしたがこの姿を見れただけで手作りにして本当に良かったと感じた。
「なのはママ、はい、これはわたしからのプレゼントだよ」
「ヴィヴィオ、ありがとう。大切にするね」
ヴィヴィオがプレゼントを渡し、あたしがプレゼントを渡すときがやってきた。
今日という日にしようと考えてから何度もシミュレーションをしてきたが実際に渡すとなると緊張してしまう。
六課が終了する少し前に彼女に告白したときよりも緊張している。
「あの、……あたしからはこれを」
「えっ? ティアナ、これって……」
「はい、なのはさん、あたしをなのはさんとヴィヴィオの家族にしてもらえませんか?」
……いろいろと言いたいセリフは考えていたのに出てきたのはそんな言葉だった。
そんなあたしの目に飛び込んできたのは泣きそうな顔をしたなのはさんとビックリしながらも嬉しそうにしているヴィヴィオだった。
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