「なるほど、そういうことだったのね」
「それでこの子はなのはちゃんの家で暮らしているんだね」
なのはと私が説明し終わるとアリサとすずかは納得したといった感じでした。
「それで、なのはに聞いたんだけど一緒にお風呂に入って一緒に寝たらしいよ」
フェイトがそんなことを言ったのではやてが私に詰め寄ってきました。
「なのはちゃんに何かしてないやろうな?」
「何かとはなんですか?」
「そりゃ、例えば胸を揉んだり……」
「はやて、あんたじゃないんだから。でもなのはに手を出したら許さないからね」
アリサもはやての言うことにあきれながらも、注意してきます。今朝のフェイトといい、どうしたのでしょうか?
なのはとは一緒に寝ましたが、それだけです。なのはに抱きつかれたときの温もりや感触は温かくて気持ちいいものでした。それは闇の書の復活のために生まれた私にはないものなのでしょう。
「それじゃあ、そろそろ買い物に行こうよ」
「そうそう、みんな行こう」
なのはとすずかに促され、私たちは買い物をするために移動を開始するのでした。
デパートに着くと、私たちは洋服売り場に行きました。今はなのはが私の服を選んでくれています。
「春菜ちゃんはかわいいから何を着ても似合うと思うけど……、これなんかどうかな?」
と言ってなのはに渡されたのは薄い紫色をした服だった。私は自分に何が似合うかなどは全然わからなかった。
「そうですか、それではこれにしますか。他の服も選んでもらえますか」
「それはいいけど、自分でこれがいいなと思うのはないの?」
「私は自分に何が似合うとかは今まで気にしたことがないのでよくわかりません。ただ、動くときに動きやすいものが良いですね」
私は特に気にすることもないと思いそう言いました。
なのはは少し残念そうにしながらまた服を選び始めました。
買い物も終わり、みんなでご飯を食べにファミレスに入りました。そこでは私はいろいろと聞かれました。先ほど説明したはずの昨日のことや様々なことを。みんなの様子をうかがってみたのですが、アリサもフェイトもなんというか4人ともなのはのことを見ているのです。なのはがそちらを見ると目を逸らしたり顔を赤くしたりしています。
「アリサちゃん、私の顔に何かついてる?」
「ついてないわよ。ただ、相変わらずしまりのない顔だと思っていただけよ」
「ひどいよー、私そんな顔してないもん。ねっ、春菜ちゃん?」
「確かに魔法戦のときの凛とした表情とは違いますが、可愛くていいんじゃないでしょうか」
「ふぇっ?」
なのはは顔を赤くして小さくなってしまいました。他の方も何かあっけにとられたような顔をしていました。私は自分の言ったことを思い出すと何故、そのようなことを言ってしまったのだろうと思いました。今までの私ならこんなことは言わなかったはずでしょう。その答えは出ませんでしたが、何か温かいもののような気がしました。
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