今日の練習試合も終わって休んでいたらなのはさんに呼び出された。今日の試合は自分ではそこそこ上手くできていたと思ったのだけど何かまずいところでもあったのだろうか?
「なのはさんどうしたんですか?今日の訓練で何か問題でもあったんですか?」
「ううん、違うよ。そういうことじゃなくてティアナは強くなったなと思って。もちろんティアナだけじゃなくてみんな強くなっているんだけどね」
「ありがとうございます。なのはさんにそう言ってもらえて嬉しいです。でも、まだまだですし、ここまでこれたのは六課時代のなのはさんの教えがあったからですよ」
「ありがとう。でも、やっぱりティアナがしっかりと頑張ってきたからだよ。今日だってまさか打ち負けるとは思ってなかったし。本当に強くなったよ」
今日のスターライトブレイカー同士のぶつかり合いはぎりぎりだった。当然なのはさんが全力を出していればあたしのほうが負けていただろう。それになのはさん六課のときのなのはさんと同じ歳になったけど、とてもじゃないけどランクは追いつくことはできなくて。ただ、それはそれでも良いと思っている。自分に出来ることをしっかりとやっていくことが大事だから。今はまだ追いつけなくてもいつかこの人の隣を歩けたらという想いはずっと変わっていなかった。
「今日はティアナのいうことを何でも聞いてあげるよ」
「何でもって……」
「ほんとに何でも良いよ。ティアナが成長しててくれて嬉しかったし、久しぶりに一緒の休暇だしね。最近一緒にいれなかったから私結構寂しかったんだよ」
と笑うなのはさんは可愛くて少しあぶなかった。
確かに、なのはさんは航空戦技教導官であたしは執務官だから仕事をしてるところも全然違うし、執務官は長期任務もよくあるので休みが重なるということもあまり多くない。あたしもなのはさんと一緒にいれなくてそろそろまずいかもと思っていたときに今回のオフトレの誘いがきたのでとても嬉しかった。二人きりではなくても久しぶりになのはさんと過ごすことができるから。そこに今の発言である。正直よくやったと自分を褒めても良いんじゃないかと思ってしまう。
「今は合宿に来てのトレーニング中ですからそれはまたの、二人きりの休みのときじゃ駄目ですか?」
「全くティアナのそういうところは変わってないね。そういう真面目なところ好きだよ」
と言ってなのはさんが頭を撫でてくれる。実際はなのはさんが思ったような理由もあるのだけれど、それよりもあんなことを言われた自分に対して言った発言だった。
それでもこのくらいは良いだろうと思い、なのはさんに寄りかかるような形で体をあずけた。
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