「杏子ちゃんに避けられてる?」
さやかちゃんが元気がないので話を聞いてみたら最近杏子ちゃんに避けられているらしい。杏子ちゃんと仲良くなって最近やっと上条君を取られたことからも立ち直ってきたのに今のさやかちゃんはそのときよりも元気がない。
「杏子、私のこと嫌いになったのかな……。ここ1週間くらい会ってもくれないし」
「そんなことないって。杏子ちゃんも色々あって忙しいんだよ、きっと」
実際はその理由も知っているけど、それを言うわけにはいかない。
それが杏子ちゃんとの約束だから。
「……そうかさやかが……」
「お願い、さやかちゃんと会ってあげて。もうあんなさやかちゃん見てられないの」
「悪い、後ちょっとできっと落ち着くから。今はまだこんな気持ちで会ったらさやかに何かしちゃいそうなんだよ」
私は今、学校帰りに公園で杏子ちゃんと会っている。
私はさやかちゃんだけでなく杏子ちゃんからも相談を受けていた。
杏子ちゃんによると、さやかちゃんが可愛くて大変なことをしてしまいそうだということらしい。
だからその気持ちが落ち着くまではさやかちゃんとは会えないと。
杏子ちゃんもさやかちゃんもお互いに好きあっているんだから自分たちでしっかり話あえばいいのに……
「でも「まどか?杏子?」……」
杏子ちゃんに話かけようと思ったら聞きなれた声が聞こえた。
杏子ちゃんの方を見ると、杏子ちゃんもびっくりしていた。
「……そっか。最近会ってくれなかったのはまどかと会ってたからなんだ……」
「違うの、さやかちゃん。それは誤解なの」
「何が誤解なの?私が相談したときも心の中では笑ってたんでしょ。そんなことにも気づかないなんて私ってほんとバカ……」
さやかちゃんは私の話を聞かないでどんどん悪いほうに考えてしまっているようだ。
目は光を失い、何かつぶやいている。
そのまま、少したったらいきなり、
「そうだ、そうよ、そうすればよかったんだ」
「おい、何すんだ。さやか、落ち着けって。何処行くんだよ?」
さやかちゃんはそう言ったと思ったら杏子ちゃんの腕をつかんで無理やり連れて行ってしまった。
「おい、いきなり部屋に連れてきてどう……」
杏子を無理やり私の家まで連れてきて、抗議する杏子の口を無理やりキスで塞いだ。
(おいっ、やめろ)
杏子はテレパシーで文句を言いながら私を離そうと抵抗する。
私はさらに深く口づけ、杏子の舌に自分の舌を絡めた。
杏子は最初は強く抵抗していたが、だんだんと抵抗が弱くなっていき、抵抗がなくなったところで私は杏子を解放した。
「はぁ、はぁっ……はぁ」
「杏子がまどかのことを好きだとしても私は杏子を離さないから」
「誰が……そんなこと言ったよ」
いきなりのことに息を整えていた杏子だったが、急に私の口に軽くキスをしてきた。
私が杏子にしたものと違って優しいキスだった。
「杏子?」
「誰がまどかのことが好きだって言った?そりゃまどかのことは好きだけど、それは友達としての好きで、さやかに対するものとは違う」
「じゃあ、何で最近会ってくれなかったの?」
「それは、さやかを見てると何か変な気が起きてさやかに何かしてしまいそうだったから。まどかにもそのことで相談に乗って貰ってただけなんどよ」
「本当に?」
「ほんとだ、バカ」
杏子の話を聞いて私の勘違いに気づいたら自然と笑いがこみ上げてきた。
「あはは、そうだったんだ。そうとは知らず勝手に勘違いして……私ってほんとバカ……」
「そうだな、お前はほんとにバカだよ」
杏子にバカ、バカ言われた。
自分でもバカだとは思うけど、他人にそんなに言われたらさすがの私でも傷つくぞ……。
「そうだ」
「どうした?さやか」
こちらを向いた杏子に軽くキスをしてベッドに押し倒した。
「さ、さやか……?」
「私を不安にした責任とってもらうよ」
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