「……なのはママ……」
夜、なのはママが眠った時間を見計らってママの寝顔を眺める。
そして頭を撫でたり髪をいじったり。
最近私が毎日欠かさずやっていることだ。
ベッドに横になって寝ているなのはママは無防備で本当の歳よりも子どもっぽく、そしてただ綺麗だった。
この人を護れる自分になりたい、そう思ってもうどのくらいたったのだろう。
私がなのはママを親としてではなく、恋愛感情として好きだと気づいてからもうだいぶたった気もするし、ついこの間そのことに気づいたばかりな気もする。
そして思ったのは、なのはママを狙っている人がすごく多いということ。
フェイトママやはやてさんなど六課の人たちを始め、ママの出身世界にいるアリサさんやすずかさんもママねらいだ。
この人たちに負けずにママを手に入れるにはやはり強くならなくては、と思った。
ママに護ってもらうのではなく、護れるような強さを。
最近ママはアインハルトさんとの仲を良く聞いてくる。
ママは私がアインハルトさんのことをそういう意味で好きだと思っているらしい。
たしかにアインハルトさんは綺麗で格闘技も私なんかより全然強いし、礼儀も良く、もっと仲良くなりたいと思っているし好きだけど、そういう意味ではない。
まだまだだけどアインハルトさんと一緒に強くなっていつか……
そろそろ部屋に戻ろうと思い、その前に大人モードに変身する。
全然ママには届かない私だからせめて見た目だけは近づこうとした。
遊びでは使わないって約束だったけど、私にとっては大事なことだから許して。
そして、寝ているママの頬に軽く口づけして部屋を出た。
「ヴィヴィオ……」
なのはママのそんなつぶやきは私には聞えなかった。
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