「スバル、ちょっといいかな?」
今日の任務が終わり、これから部屋に帰って明日に向けて休もうと思っていたらなのはさんが声をかけてきた。
聞くとなにやら相談があるとのことだ。
なのはさんがあたしに相談したいことってなんだろうと思いながら着いて行くと、
「スバルってティアナと仲いいよね?」
「まあ、訓練校時代からの付き合いですから。それがどうかしましたか?」
「いや、ちょっとこういうことは言いづらいんだけど真剣に聞いてくれるかな?」
と言われた。
あたしとしてはなのはさんからの相談をふざけて聞く気もなかったが、なのはさんの顔を見たら本当に真剣な話のようだ。
「あのね、私……ティアナのことが好き……なんだけど、どうしたらいいと思う?」
「そうなんですか。頑張ってくださいね、あたし応援してますよ」
「……えっ?それだけ?」
「それだけと言いますと?」
「いや、だって自分の上司から恋愛の相談を受けたんだよ?それに私が好きなのは同じ女同士なわけだし……。それにスバルもティアナのこと好きなのかなって思ってたし」
なのはさんはこのように言っているが、側から見ていたあたしたちにとって、なのはさんがティアのことを好きというのはとてもわかりやすいものだった。
訓練の最中やその他のときにティアを見るなのはさんの顔は恋する人のそれだった。
さっきあたしたちと言ったが、あたしの他にも八神部隊長、フェイトさん、副隊長たちにエリオやキャロもそのことは知っている。
このことを知らないのはティア本人くらいなものなんじゃないだろうか。
「大丈夫ですよ。恋愛は個人の自由ですし、あたしとしてはまだ恋愛感情として好きな人はいないので羨ましいです」
「ほんとに?良かったぁ。これから変な目で見られちゃったらどうしようって思った。それで、ティアナが私をどう思ってるかとか、ティアナが好きなものとかを教えてほしいんだけど」
その話を聞いたとき、あたしは全くこの二人はと思ってしまった。
~数日前~
あたしはフェイトさんにとあることを聞いていた。
「ティアナからね、なのはのこと好きだって相談を受けたの。なのはがティアナをどう思ってるかとか、好きなものを教えてほしいって」
「本当ですか?ティアってそういうところ鈍いですよね。他のことには鋭いくせに」
「そうだよね。なのはがティアナのことを好きだっていうのは周りで見てる私たちにとってはすぐわかるのにね」
「そうですよね。それにその逆でティアがなのはさんのことを好きってことも良くわかりますよね」
「でも、なのはもそのことには全然気づかないんだよね。全くこの二人はお互いに好きあってるんだから早く付き合っちゃえば良いのにと思うんだけどねぇ」
「それは仕方ないですよ、ティアはもちろんなのはさんもこういうことには鈍い人ですから」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ということがあったのだ。
フェイトさんが相談を受けてから数日で、今度はあたしがなのはさんから同じ内容の相談を受けるなんてどこまで似たもの同士なんだろうと思ってしまう。
「ティアはなのはさんのこと、嫌いではないと思いますよ。ティアってああいう性格なのでちょっと素直じゃないところがありますけど。ティアとずっと一緒だったあたしがそう思うので大丈夫だと思いますよ」
この二人はこれからどうなるんだろうと思いながらなのはさんと話をしていた。
PR