長期任務を終えて、なのはさんとヴィヴィオの待つ家に到着した。いつもなら玄関を開けると二人が出迎えてくれるはずなのだが今日はそれがなかった。鍵は掛かっていなかったし、通信を入れたときはその時間は家にいると言っていたので出かけてはいないだろう。そんなことを思いながらリビングに行くとそこには薄いシャツとズボンをはいただけのなのはさんとヴィヴィオがソファーにうにゃーとか言いながらぐだーと寄りかかっていた。
「二人ともどうしたんですか?エアコンもつけずにこの暑い中」
「あ……ティアナお帰り。出迎えられなくてごめんね。ちょっとエアコンが壊れちゃって」
「そうなんですよ。朝は普通に動いてたんですけど急に止まってしまって」
二人の話によると、今日も朝から暑かったのでエアコンをつけていたら朝ご飯が終わった後あたりにいきなり止まってしまったらしい。修理の電話をしたら忙しくてすぐには来れないとのことだ。今、部屋は窓が全て開けられているが気温は30℃を超えていて風もあまりないため大した意味をなしていない。小さな扇風機もつけられているがこの状況では焼け石に水だった。
「それは災難でしたね。帰りにアイス買ってきたので食べませんか?」
「アイス?やったー。ヴィヴィオ、アイスだって。ティアナ、ありがとう。正直この暑さの中どうしようかと思ってたんだ」
「そうなんですよ。扇風機や団扇だけじゃこの暑さはどうしようもなくって」
「でも、ヴィヴィオはいいよね。さっき電話があってこれからアインハルトちゃんたちと一緒にプールに行くんでしょ」
「そうだけど、今が暑いことには変わりないし」
そんなやりとりをしながら三人でアイスを食べ終わると、ヴィヴィオは準備をしてプールに出かけていった。
なのはさんとリビングに二人きりになり初めのうちはソファーに間を開けて座っていたのだが、しばらくしたらなのはさんがくっついてきた。
「……なのはさん?」
「ごめんね、暑いけど、ティアナにくっついていたいの。だって今回の任務は長かったから久しぶりにティアナに触れていたくて。嫌だったら離れるけど」
なのはさんは不安そうに聞いてくる。
「いえ、嫌ではないです。なのはさんが大丈夫ならあたしはこのままでも……」
そう、確かに暑いがなのはさんに触れられるのが嫌なわけがなかった。実際帰ったときに出迎えがなくて何か気に障ることをやってしまったのではないかと思っていた。なのはさんに愛想をつかされたのはないかと思ってしまいそうだった。そうじゃないとわかったときはなのはさんに抱きついてしまいそうになったが暑そうな彼女を見たらそれはやめておこうと思った。なのでこのようにされるのは嬉しいのだが、なのはさんの格好はさっきも言ったように薄いシャツにズボンという格好だ。そんな薄着でくっつかれているので正直色々と危ない状態だ。ただでさえ長期任務に行っていてひさしぶりになのはさんに会ったのにこんな格好でくっつかれたりしたら……。あたしはそれからしばらく別の意味で暑さを我慢しなければならないようだった。

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