「えっ、今日がですか?」
「そうだよ、知らなかった?」
フェイトさんがもう知ってると思ってたとか言っていたがあまり頭には入らなかった。
なのはさんの誕生日って今日だったんだ。
全然知らなかった。
なのはさんは何も言ってくれなかったし。
あたしとしては恋人として誕生日くらい知っておきたかった、確かに聞かなかった自分にも問題はあったのだが。
今の問題はそんなことではなく、プレゼントをどうするかということだ。
フェイトさんは後のことは私がやっておくからと言って早く帰らせてくれた。
プレゼントは何が良いかと思い、街をうろついているととあるお店であるものを見つけた。
「……そういえば」
“ピンポーン”
「あれ、ティアナ?今日はどうしたの?」
チャイムを押すと、しばらくしてなのはさんが出てきた。
「どうしたって、今日誕生日だそうじゃないですか」
「えっ、そういえばそうか。最近色々あって忘れてたよ。それにもうそんな年じゃないから」
「あたしとしたら教えてほしかったです。恋人のなのはさんが生まれた記念の日ですから。それになのはさんは無茶をするのでこの機会に自分の命の大切さを知ってもらわないと……」
「あー、それよりティアナ、ご飯出来るところだから食べて行きなよ」
なのはさんはまずいと思ったのかそう話題を変えて苦笑しながらあたしを招き入れた。
その後、なのはさんとヴィヴィオと食事を済ませた後、ヴィヴィオが自分の部屋に戻ったのでリビングになのはさんと二人きりになった。
「あの、なのはさん、誕生日のことを今日知ったので、大したものを用意出来ませんでしたが」
あたしはなのはさんに来る途中で買ったプレゼントを渡した。
なのはさんはその袋を受け取るとあたしに許可をとって袋を開け始めた。
「これって……」
「はい、アクアマリンのブレスレットです」
そう、あたしがプレゼントしたのは三月の誕生石のアクアマリンのブレスレットだった。
誕生日に誕生石のアクセサリーとかどれだけ捻りがないんだろうと思ったが、考えている時間もなかったのでふと見たお店においてあったそれを買ったのだった。
「ティアナ、嬉しいよ。ありがとう」
なのはさんは早速それをつけ、嬉しそうに笑ってくれた。
本当に今日のことを教えてくれたフェイトさんには感謝しなくてはと思った。
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