なのはが墜ちた。
その日はなのははいつも通りに振舞っていたが、何処か違和感を拭えなかった。
具体的には上手く言えなかったし、本人に聞いても大丈夫だよといつもの笑顔をうかべていたので気のせいだろうということにしてしまった。
その日の任務は普段のなのはならどうということはないものだったし、守護騎士の1人も一緒だということもあり、私が別任務で同行できなくても平気だろうと思っていた。
しかし、私が任務を終えて帰る支度をしていたときに入った知らせは高町なのはが墜ちたというものだった。
病院に行くと治療室の前に、フェイトやはやてといった面々が集まっていた。
「すまない。あたしがついていながらなのはを護ることができなかった」
「いえ、貴方のせいではありません。それより……」
「大丈夫ですか?」
「うん、もう大丈夫だよ。ちょっと失敗しちゃったよ」
「全く貴方という人は……自分の体調管理もしっかりできないのですか?そんなんじゃ今回は運よく助かりましたが、今度はこうはいかないかもしれませんよ。それに今回のことでたくさんの人に心配や迷惑をかけたのですから少しは休むということも覚えてくださいね」
「にゃはは、星ちゃんきびしいなぁ」
「はぁ、私はこんな自己の調子も管理できないような人に負けたのですか……と言いたいところですが、今回のことは私にも責任があります」
そう、私はなのはが何処かいつもと違うことに気づいていた。それなのになのはならきっと大丈夫だろうと勝手に決めてしまった。
何故なのはを止めなかったのだろう、そう思うと不甲斐なさでいっぱいだ。
「そんなことないよ。今回のことは私が悪かったの。それより、早く治してまた飛べるようにならないとだから頑張るよ」
「こんなことがあったのにまだ魔法を使うのですか?」
「うん、私空が好きだし、自分の魔法で助けられる人がいたらその人を助けたい。自分に助けられる人がいるのにそれをしないなんてだめだよ」
なんてまっすぐで不器用なんだろうと感じた。
自分も不器用だと言われるが私のオリジナルはもっと頑固で不器用なんだなと思った。
ただ、こんな風に信念をもった相手だからこそ戦ったときに心が躍り、負けても気持ちの良いものだったのでしょう。
私はなのはが空にもどるまでなのはが飛ぶ空を護り続けようと思った。
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