「なのはさん、今日は自主トレをしようと思っているのですが付き合ってもらえないでしょうか?」
「もう、練習熱心なのは良いけどまた無茶はしちゃダメだよ。久しぶりのオフなんだからゆっくり休めばいいのに」
「いえ、なのはさんにも見てほしいことがあるので……」
「……もうわかったよ。準備してくるから」
こうしてあたしはなんとか今日2月14日をなのはさんと過ごせるようになった。
なのはさんたちの故郷では今日は好きな人やお世話になっている人に感謝の気持ちを込めてチョコレートを贈る日だそうだ。
……あたしはなのはさんのことが好きだ。
ただ、なのはさんはあたしのことを単に教え子としてしか見ていないだろうし、そんな人に告白されても困るだろう。
それにあたしもいきなり素直にチョコを渡したりするのは恥ずかしいし、告白なんてとてもじゃないが出来る気がしない。
(16:00)
10:00から始めて昼の休憩以外はずっと二人で練習していた。
「……なのはさん、最後に模擬戦をしていただけますか?」
模擬戦終了後
「なのはさん、今日はありがとうございました」
「いや、別に大丈夫だよ。今日は特にすることもなかったし。ティアナ、明日からまたいつも通りなんだからしっかり休むんだよ」
「はい、わかってます。……そうだ、なのはさん。なのはさんも疲れてしまいましたよね?実はこれ持ってきたんでどうぞ」
そう言ってなのはさんに今日の本当の目的の物を渡す。
「えっ、チョコレート?」
「はい、疲れたときは甘い物が良いらしいですから。部屋に戻ってからにでもどうぞ」
そう、あたしの考えたことは普通には渡しにくいので何か理由を無理やりに作ってしまおうということだった。
我ながらなんて頭の悪い作戦だろうと思った。
「……これ手作りでしょ?ありがとね、わざわざ」
「いえ、どうせ自分が自主トレ後に食べようと思って用意していた物ですから」
「……そっか。じゃあ遠慮なくもらっちゃうね」
「はい、どうぞ」
「それと、私からもティアナに渡したい物があるの」
そう言ってなのはさんは綺麗に包装された箱を差し出してきた。
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