私の音楽はもう終わっている。
将来は医者になるんだから音楽なんてやってる暇ないんだって、……そう思っていたのに。
それなのに、その人は突然やって来た。
私が音楽室でピアノを弾いていたら突然現れて、
「貴女、アイドルやってみない?」
……いきなり何をいうのだろうか、この人は。
まともに相手にもしなかったのにその人はそれからも勧誘を続けてきた。
私に曲を作ってほしいと言われたときも初めは断ったが、海未やことりと一緒に神社で練習している姿を見て、あぁ、この人は本気なんだなって感じた。
その後はいろいろあって私もμ'sに加入して一緒に活動していて自分でもわからないうちにその人のことが気になっていった。
初めは上級生なんだからもっとちゃんとしてほしい、何かあるごとにくっついてくるのやめてほしい、……そう思っていたのに。
その人……穂乃果が曲を誉めてくれたり、喜んでくれるのを見て、満たされるようになった。
もっとその笑顔を私に向けてほしいって。
穂乃果のスクールアイドル辞めます宣言の後、私はにこちゃんや凛、花陽にスクールアイドルを続けないかと誘われたが断ってしまった。
そのときに気づいてしまった。
私は穂乃果のことが好きだったのだと。
私に諦めていた音楽をやる場所ときっかけを与えてくれた彼女を、いつも思い付きで行動して危なっかしいけどいつでも一生懸命な彼女に惹かれていたんだって。
それから穂乃果はことりを連れて戻ってきてくれた。
「真姫ちゃん、突然呼び出してどうしたの?」
私は今日、音楽室に穂乃果を呼び出した。
私たちが初めて出会った場所で彼女に想いを伝えるために。
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