「あぁ、今日もシュテるんに勝てなかったぁ」
「貴方はもう少し戦術というものを考えるべきです、ただ攻めるだけではその力を生かすことはできませんよ」
「でもさ、いつもよりは良いところまでいったよね。シュテるん試合中も何か別のこと考えてたみたいだし……」
「シュテル、今度は私とやりましょう」
「ユーリ……そうですね、やりましょうか……」
「どうかしましたか?」
「いえ、すみません。では、参ります」
私は今日もエルトリアで王やレヴィ、ユーリたちと戦闘訓練をしている。
それにしても……気づかれないようにしていたのにレヴィにすら気づかれるとは、私もまだまだですね。
ユーリにはまだ勝てないと思いますが、ユーリに勝つことができれば彼女にも勝てるかもしれませんね、いつか再戦をと誓った彼女にも。
「ねぇ、王様。シュテるん、最近よく考え事してるけどやっぱり……」
「あぁ、星光のオリジナルのことを考えているに違いないな」
「やっぱりそうだったのね。何だ、あの子にも可愛い所あるじゃない」
「桃色、いつからそこに居た?」
「もぉ、王様そんな細かいこと気にしちゃ駄目ですよ。とにかくそういうことなら任せて」
私はユーリと戦っている間にこんな会話が行われていることを知らなかった。
「……はぁっ」
「ねぇ、最近のなのはどうしたの?溜息ばっかりじゃない?」
「いや、少し前に仲良くなった子がすぐには会えない場所に行っちゃたからね……」
「……そうなんだ。それじゃ寂しいよね。なのはちゃん」
「でもさ、フェイトのときみたいにビデオレターとかやりとりできないの?」
「ちょっとそれも難しいみたいなんや」
星光は今頃何してるんだろう?
最近はそんなことばかり考えている。
初めて会ったのは闇の書事件のすぐ後に起こった闇の欠片事件。
そのときはお互いの目的の為に全力で戦って。
そのときは消えてしまったけど復活してまた会えたときは嬉しかった。
私は彼女と仲良くなりたかったし、困っているなら力になりたかった。
そして彼女たちと協力して事件を解決して……彼女は仲間とともに別の世界へと行ってしまった、いつかまた戦うという約束を残して。
「はぁ……」
“バコッ”
「うにゃあ、痛いよ、アリサちゃん……」
「うるさいわね、アンタがいつまでも辛気臭い顔して溜息ばかりついてるのがいけないんでしょうが。なのは、今日は仕事ないんでしょ。これから遊びに行くわよ」
そんなことを考えているとアリサちゃんに思いっきり教科書で叩かれた。
私はそんなに暗い顔をしてたかなぁと思いながらアリサちゃんの心遣いに感謝してみんなの後に続いたのだった。
私はある日、王たちに呼び出されとあるところに向かった。
「これはまだエネルギーが足りなくて使えないのではないのですか?」
「それは桃色たちが何とかしてくれてな。何でも今までとは違うエネルギーで動かせるようにしたとか」
「あはは、さすがアタシって感じよね。それでね、正常に動くかどうかあなたにテストして欲しいの」
「……何故ですか?」
みんなの考えはわかっています。
テストと言って私をナノハに会いに行かせようとしているのでしょう。
全くこの人たちは……。
何日もみんなで何かしていると思っていたらこのようなことをしていたのですか。
素直に乗るのは癪ですが、王たちの気づかいを無駄にするのは良くないでしょうね。
「シュテるん、向こうに行ったらみんなによろしくね」
レヴィの言葉を聞きながら私は旅だったのだった。
「この魔力は……」
日曜の朝、公園でいつものように魔法の練習をしていたら急に魔力を感知した。
それは今はもう感じることはできないはずの魔力で。
「行くよ、レイジングハート」
私はそれを確かめるために空へと飛び立ったのだった。
「えっと、確かこの辺りから反応があったんだけど……」
私が魔力を感知した場所を探していると
「……久しぶりですね、ナノハ」
「うん、元気だったよ。そっちも元気そうだね」
「えぇ、そちらも変わりなくて何よりです」
「何でって聞いても良いかな?」
「王たちが私の為に頑張ってくれたんですよ。私がここに来た理由はナノハとの約束を果たす為です」
やはりというか予想通り、彼女……星光が話かけてきた。
私たちは少し話した後、模擬選をする為に管理局に向かうのだった。
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