"ガチャ"
「あれっ? まだ真姫ちゃんだけ?」
ことりちゃんと海未ちゃんは先生から用事を頼まれたみたいで先に行っててくださいと言われて来てみればまだ真姫ちゃん以外は来ていないようだった。
何の反応もない彼女に近づいてみると彼女は机の上に楽譜を広げて眠っていた。
真姫ちゃんが居眠りなんて珍しいなぁ、真姫ちゃんは真面目だから学校で居眠りなんてしないと思ってたんだけど。
最近はライブも近いから練習も大変だし疲れが溜まってたのかな?
まぁ、私は授業中に寝ちゃって海未ちゃんに怒られちゃうんだけど……。
それにしても
「真姫ちゃんってやっぱり可愛いなぁ」
今は閉じられていて見えない紫色の気の強そうな目も綺麗だし。
こんなに無防備に寝てたら襲われちゃうぞ、私に。
部室には私と真姫ちゃんの二人だけ、他のみんなはまだ来る気配はないみたい。
「真姫ちゃんがいけないんだからね」
自分に言い聞かせるようにそう言って寝ている真姫ちゃんの顔に唇を近づける。
もう少しでキス出来るところまで近づいたけど、思い直して顔を離す。
やっぱり寝ているときにするのはダメだよね……、起きてるときも出来るわけないけど。
「……うーん、ほ……のか?」
「あっ真姫ちゃん起きた?」
そうこうしているうちに真姫ちゃんが起きたみたいだ。
「ほーのか」
「えっ? 真姫ちゃん、どうしたの?」
起きた真姫ちゃんはしばらくボォーとしていたけど、急に私に抱きついてきた。
突然のことにドキドキする私。
「穂乃果は私のことどう思ってるの?」
普段からは考えられない真姫ちゃんの様子に私は一つの結論を出した。
「もしかして、真姫ちゃん寝ぼけてる?」
「……うーん? そんなことどうでもいいじゃない。で、私のことどう思ってるの? 私は穂乃果のこと好きよ」
やっぱり寝ぼけてる、普段の彼女はそんなこと言わないもん。
「私も真姫ちゃんのこと好きだよ、同じμ'sの仲間だもん」
「そうじゃなくて、穂乃果は一人の女の子としてどう思ってるの?」
ずっと真姫ちゃんに抱きつかれているから彼女の匂いや息遣いがいつも以上に感じられる、それに体温や柔らかさも。
もう、我慢できないかもしれない。
私は真姫ちゃんのことが好きだ、μ'sの仲間としては勿論、それだけでなく仲間とか友達以上の関係になりたいと思っている。
そんな相手にいくら寝ぼけていると言っても抱きつかれてこんなこと言われたら……。
「私は真姫ちゃんのこと……真姫ちゃん?」
「スゥー、スゥー」
もしかして、寝ちゃった?
酷いよ、真姫ちゃん。
そんなことを思いながら真姫ちゃんを椅子に座らせて……彼女の頬に軽くキスをした。
「これくらい良いよね? 真姫ちゃんが悪いんだから」
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