今日は海未ちゃんとことりちゃん、絵里ちゃん、希ちゃんに用事があるからということで、放課後の練習はお休みになった。
今日は久しぶりにあそこに行ってみようかな。
その場所に近づくにつれてピアノの音が聞こえてくる。
私が音楽室の扉を開けて中に入るときにちょうど演奏が止まった。
「やっぱり真姫ちゃんはピアノ上手だね」
拍手をしながら彼女に近づく。
「……全く、何か用なの?」
「別に用はないけど、ここに来ると真姫ちゃんに会える気がしたから。真姫ちゃんのピアノが聴きたいなぁって。強いてあげるなら真姫ちゃんと一緒にいたいなって」
「……何それ。勝手にすれば?」
真姫ちゃんが好きだから一緒にいたいとは言わない。
真姫ちゃんからは素っ気ない返事が返ってきたけど、それは普段からそうなのでもう慣れてしまった……本当はさみしいんだけどね。
真姫ちゃんはその後もピアノを弾き続けていく。
私が初めて見たときもピアノを弾いていたっけ。
彼女のピアノと歌に引き込まれていた。
なんて上手なんだろうって。
「貴女、アイドルやってみたいと思わない?」
今思えば、かなりいきなりだったと思う、けど私は彼女と一緒にアイドルをやりたいと思ってしまった。
彼女に曲を作ってもらえたら嬉しいなって。
その後、真姫ちゃんもμ'sに入り、いろいろあって今の九人のメンバーになって真姫ちゃんのこともいろいろ知ることが出来たけど、もっと仲良くなりたい。
真姫ちゃんに対する気持ちに気づいたのはつい最近だったけど。
他のメンバーに対するものとは違う、私は真姫ちゃんに恋してるんだって。
私や凛ちゃん、にこちゃんを呆れたように見ている顔も時折見せる笑った顔ももっと見ていたい。
いつから好きだったかはよくわからないけど今思えば、きっと初めて会ったときからだったんだ。
彼女に一目惚れしてしまっていたんだ。
なんて綺麗で可愛い子なんだろうって。
「せっかくだから、何かリクエストあるかしら?」
彼女は演奏をやめそう聞いてきた。
真姫ちゃんの演奏なら何でも嬉しいんだけど、やっぱりあの曲かな?
私と真姫ちゃんが出会う切っ掛けになったあの曲が。
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