今日は12月25日、クリスマスだ。
昨日は1日アイシアとデートして2人で過ごした。
アイシアとイヴの予定を立てていたらさくらさんに音姉や由夢、杉並たちがいろいろ言ってきたが、さくらさんと音姉と由夢は今日一緒に買い物に行ってパーティをするということで納得してもらった。
杉並たちは無視した……後が怖いが。
というわけで俺がそろそろ起きてご飯の準備をしようと部屋を出ようとしているところに、
“コンコン”
「義之くん、入ってもいい?」
アイシアがやってきた。
特に断る理由もなかったので、どうぞと言うと
「にゃはは、似合う?」
「もう、さくら。あたしより先に義之くんに見せるってどういうこと?」
サンタクロースの格好をしたさくらさんとアイシアが入ってきた。
「……どうしたんですか、2人とも?」
「どうしたって?今日はクリスマスだよ」
「そうそう」
いや、それはわかっているのだが、実際に恋人と母親がこういう格好をすると何と言って良いかわからなくなる。
「どうどう?」
「ちょっと、さくら?義之くんに近づきすぎ」
さくらさんは俺に見せるためにどんどん近付いてくるし、アイシアはさくらさんを遠ざけようと近づいてくる。
「2人とも似合ってますよ」
「やったー。ありがとう、義之くん」
「だからさくらぁ。あたしだって」
驚きはしたが2人とも似合っていたので、そう言うとさくらさんとアイシアが抱きついてきた。
そんなことをしていると
“ガチャッ”
「弟くん、おはよう」
「兄さん、朝ご飯―」
音姉と由夢が入ってきた。
「……」
「……」
「……」
「おとうとくん!」
音姉の雷が落ちました。
「全く、弟くんは……」
「兄さんが恋人と母親にコスプレさせていろいろする趣味がある人だということはわかりました」
「2人とも、誤解だって。別に俺がさせたわけじゃ」
「でも嬉しそうでしたよ、私たちが入ったとき」
「弟くん、これからもしああゆう格好してほしかったらお姉ちゃんに言うんだよ」
「だから2人とも……」
朝ご飯を食べ終わった後も2人に説明したが、2人とも俺の話を全く聞いていないようだった。
さくらさんとアイシアはこたつでお茶を飲んでいる。
せめて誤解を解くのを手伝ってほしいと思ってしまう。
「ほらほら、音姫ちゃんも由夢ちゃんもそれくらいにして。今日は買い物に行くんでしょ。義之くんに何か買ってもらえばいいじゃない」
「さくらさん、そうですね。今日は弟くんの奢りでいろいろ買っちゃおうね、由夢ちゃん」
「そうだね。というわけで今日はおねがいしますね、兄さん」
さくらさん、音姉、由夢は好きなことを言っている。
「ほら、弟くん。早く行こう」
「兄さん、早くしてください」
「義之くん、まだー?」
「義之くん、行こう」
俺以外の4人はもうすぐにでも行く気満々のようだ。
アイシアとさくらさんはもちろん、さっきまで怒っていた2人も笑っていた。
俺はなんだかすっきりしないけどこうやってみんなで笑えるならそれでいいかと思った。
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